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傾いた日はすっかりビル群の向こうへと消え、街灯に明かりが灯り始めている。そろそろ完全下校時刻の為、学生は寮に戻る時間だ。
そんな時間に、
目的は『
都市伝説の情報は主にネットから拾ってくるものの、それを調べるのはネットだけでなく、自分の足も使う。怪しいアイテムの
とは言え、真偽さえも怪しい『幻想飛翼』に関わる情報は一切入ってこなかった。
いくつか仕入れた情報は、『窓のないビル』や『突然壊れる電化製品』、『超能力を無効化する能力』と、どこかで聞いたようなものばかり。しかも内容は
ただ、都市伝説とは関係ないものの、一つ変わった事があった。
写真の女の子を見た覚えはまったくなかったが、まるで警察の聞き込みのような展開に思わず心が
「今思うと、あのおじさんの後を追ってもよかったかなぁ。すっごい面白い話があるような気がしたんだけど……」
佐天はそんな考えに
調査が徒労に終わり、目新しそうな一件も逃がしてしまい、佐天は肩を落とす。
「はー……、やっぱり情報が少なすぎるよね。とは言っても『幻想飛翼』はサイトでもまったく情報がないしなぁ……」
携帯電話で都市伝説サイトを
・研究はどこかの研究所で極秘裏に行われている。
・能力者の
以前見た時と変わらず、この二点しかない。
念の為に議論用のスレッドも見てみるが、最初は真面目に語っていた
これ以上見ても仕方ないと
そこでやっと周囲が暗くなってきている事に気付いた。
「――今日はこれで切り上げて帰ろう。遅くなると危ないし」
完全下校時刻を過ぎてしまうと、
「まあ、遅い時間に出歩いている人達の方が情報持ってたりするんだけど――いや、でもさすがになぁ。私一人だとさすがに不安だな……」
そこまで言って、頼りになる
「いやいやいや。さすがに情報集めたいからって、そんな理由で
脳内会議であっさり否決した。
「うん、馬鹿な事考えてないで帰ろっ」
考えながらで遅くなっていた歩みを速め、一路寮を目指す。幸いここから寮はそこまで遠くないので、すぐに帰る事ができるだろう。
晩ご飯をどうしようか悩みながら歩いていると、ふと、あるものが目に留まった。道の先、路上に何か大きなものが転がっているのだ。
色は黒と白と
一瞬何なのか理解できなかった佐天だったが、冷静に目の前のものを見て、考え、
「――って! 人じゃないですかぁ!!」
それが倒れている人間だと気付き、慌てて佐天は駆け寄るのだった――。