とある日の夕方。インデックスは街に出ていた。
朝、夕方になったら指定した場所に来るように、と上条に言われていたのだ。
訳がわからず、何があるのかと訊ねたインデックスだったが、上条は乾いた笑みを浮かべるだけで、何も言おうとしない。追求しても全く言おうとしないので、さすがのインデックスも尋ねるのを止めたほどだ。
「――ま、わたしはご飯が食べられるんだったら、どうでもいいんだけどね。もうお腹ぺこぺこだよ。これでご飯が無かったら、とうまをどうしてやろうか?」
などと物騒なことを言いながら、インデックスは道を進む。そして辿り着いた所は、とあるレストランだった。
「今日はここでご飯ってこと、なのかな……?」
おそるおそる、インデックスはレストランの扉を開いた。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
開けた途端、ベルが鳴る音と共に声をかけられた。
インデックスは驚いて身構えたものの、よくよく見ると声をかけてきたウェイターが知り合いだったことに気付き、疑問を浮かべた。
「あれ? 何でとうまがここにいるの?」
「――って、インデックス、お前か。今日はここで晩飯だ。席に案内するから、適当に頼んで食べてってくれ」
「う、うん、わかった。でも、何でとうまがこんな所で働いてるの?」
インデックスの問いに、ウェイターの服を着た上条は朝と同じく乾いた笑いを浮かべ、
「……ま、色々あるんだよ、色々……。ほら、今日はデザートも食べていいから、これ以上聞かないでくれ……」
結局、何一つわからないまま、インデックスはテーブルに案内され、食事を取った。
その最中、料理を持ってきたのが御坂だったり、水を入れに来たのが土御門や青髪ピアスだったりしたことに首を傾げながら、インデックスは綺麗にデザートまで平らげたのだった――。
レストラン奥の店長室。
そこでは、店長の北南が明細書を手に、頭を抱えていた。
「あいつらをただ働きさせたのはいいものの……。この修繕費、どうしたものかなー……」
ア○ミラ風の制服にニーソ。
彼の趣味全開のこの店がこの後どうなったかは、誰も知らない――。